こんにちは
いたにまゆです
2011年より、官公庁や一般企業様へストレスチェックテストの実施から、ストレス分析・カウンセリング・研修を通して、「職場のメンタルヘルス」のサポートをさせていただいています。
2015年12月1日より労働安全衛生法の改正により、従業員50名以上の事業場でストレスチェックテストの実施が義務付けられたことにより
*まず何をしたらいいかわからない
*うちもやらないといけないの?
*人手がなくてできない
等のご相談をいただくことが増えました。
月1回開催の勉強会にご参加くださるご担当者様には直接課題をお伺いして一緒に解決方法を導きだしていますが、共通して出てくるお悩みについて、少しこのBlogにも書いてみようと思います。
テストの分析結果をご報告させていただく際に、お伝えしていることをまとめてみたので、今、ストレスチェック制度について取組んでいらっしゃるご担当の方に届くといいなと思って書いてみますね。
(長文です^^;)
ストレスチェックを上手に活用するために。
☆ 前提を理解しておくことが必須です ☆
・テストの結果は「テストをした時」の状態を指します。
今は落ち着いているかもしれません。
但し、負荷がかかった時にはそのテストで出たような傾向が現れる可能性が高い、と理解しておくことが必要です。
・ストレスチェック制度の目的は「未然予防」です。
不調者を作らない=つまりひとりひとりが心身ともに健康に働けるために、“こころ”の側面からテストを行うことで
- 自分の心身の状態に気づき、自分にとって必要なセルフケア(自分自身でケアを行う)を行うよう推進する。(医師の面談やセルフケア研修)
- 職場環境で改善できることを進めていく。
この2点についての取組を進めていきましょう。
ついやってしまいがちなのは、
①結果だけ見て、何をしていいかわからないから放置してしまう。
②犯人探し(抑うつと判定されたのは誰か)をしてしまう。
という点です。
ストレスチェックテストは、メンタルヘルス施策を進めていくための「PDCAサイクル」の中で「C」の部分にあたる重要な過程です。
適切なPDCAサイクルを回さない限り、改善には繋がりません。
「何をしたらいいかわからない」という時には、産業医や私達のような外部のサポートを上手に利用して「自社には(自分の部署には)どんなケアが必要なのか」を知り、実施していきましょう。
また、いい意味でも「不調社員を元気にしてあげたい」という理由で、「誰が高ストレス者・抑うつ者、なのか」を知りたいと思われたり、口にされたりする方も多くいらっしゃいます。
まず、「テストの結果は「開示されません」
(テストの個人結果が各個人に戻されてから開示を依頼し、同意が得られれば開示されます)
理由のひとつとして、テストは受検者が素直な気持ちで回答することが必須だからです。
誰かに見られるかもしれないと思ったら、問題がある方ほど本当のことは書きたくないと考え、効果がある結果が出なくなります。
そして、素直に書いた結果について、高ストレス者・抑うつ状態となっていたら、面談勧奨を受けますが、その勧奨を元に医師の面談を受けたり、かかりつけ医に相談するのは個人で行っていただくことになります。受けるかどうかは義務ではありませんが、結果を参考にご自身のセルフケアを行うことは「自己保険義務」となります。(労働安全衛生法第4条 労働者の「遵守義務」と「協力義務」 労働者は、労働災害を防止するため必要な事項を守るほか、事業者その他の関係者が実施する労働災害の防止に関する措置に協力するように努めなければならない。)
ご本人から相談がない限り、職場の中でできることはありません。
とはいえ、自分の会社や部署に高ストレス者・抑うつ傾向の方がいらっしゃれば、「何かしてあげたい」と思うのは、人として当たり前の感情でもあります。
では何ができるのか。という点で申し上げるなら、
「職場が安心して仕事ができる場になっているか」
というところになります。
これが“職場環境”に繋がるわけですが、物理的な環境に加え
「信頼を感じられる」「承認欲求が得られている」
と、不調であったとしてもそれ以上に悪化することは回避しやすくなります。
まずはできるのは、どんなことか。
そんな視点でPDCAサイクルを回して、次回のテストの結果改善に繋げていただければと思います。
- 結果に一喜一憂しない ☆
つい、他社と比べたり、他の部署とを比べて一喜一憂しがちです。
(ストレスチェックテストのご報告会の際には、まるで通信簿を配ったときのようになることが多いです)
「メンタルヘルス施策はPDCAサイクルをまわすことが大切」という話を前述しています。
なので、比較は「前回」と行う、ということになります。
初年度は「これが現在地」と理解し、比較して良い悪いというよりも「ここからできることは何だろう」「どんな取組を導入すると、より従業員ひとりひとりが元気になるだろう」という視点で施策を講じていくことが大事な考え方です。
従業員一人ひとりが心身ともに元気で働くことができる
ということがこの制度のゴール、と捉えて前向きに実行していきましょう。
その他の疑問や、テストの導入やストレスチェック制度についてのご質問はいつでもどうぞ(*^_^*)
-mayu